小生、縁有って本TMRセンターを技術的にフローすることになりました。小生は大学で獣医学、繁殖学、栄養学等を多少学び、その後三十数年間、民間の研究農場でひたすら、乳牛、肉牛における種々の給与試験をメインにその他、種々のサイレージ、堆肥関係の調製の研究にも従事してきました。このブログではその試験、研究を通して、一般に知られている酪農、肉牛の飼養に関する情報、技術の中で見逃されている点についてお知らせして、少しでも養牛関係の生産に寄与すればと思っています。
先ずは乳牛の乳生産において大きな影響を与えている給与メニューについて見逃されていることを紹介していきたいと思います。本TMRセンターは開かれたTMRセンターです。そのTMRの飼料設計についても酪農家さんに役に立てばと基本的な設計内容を公表しています。
TMRの配合内容の組み立て方は、一般に知られるように「飼養標準」に則って行われます。その飼料は大まかに粗飼料と濃厚飼料に区分けできます。
本TMRセンターにおいて使用している粗飼料は一般に流通している乾草が主体であり、自給のコーンサイレージを組み込んでいる農家さんもおられます。
濃厚飼料は一般のTMRセンターと同様トウモロコシが主体です。TMRの配合内容の中で大きな特徴として、DDGSというトウモロコシをアルコール発酵した後の副産物であるトウモロコシ蒸留粕を1頭あたり3㎏前後組み込んでいることです。このため一般には高泌乳ではむずかいしRUP(バイパス蛋白)を飼料標準以上にすることが可能になってきます。乳量30㎏以下の牛では「過剰」にバイパス蛋白を与えていることになります。このような「飼養標準」を外れ、バイパス蛋白を多く与えた場合に牛への影響が気になるところです。次回からはそれらの点について触れていきたいと思います。