配合飼料原料の再点検(1)グルテンフィード 

今回から配合原料として多く使われているいくつかの飼料について、その飼料特性について整理したいと思います。

第1回目は「コーングルテンフィード」です。本品はコーン粒の搾油製造等の工程の過程で産出される、主にコーン粒の外皮、浸出液副産物(コーンスチープリカー)等の混合副産物であり、乾燥され形状は粒状です。

現物当たり粗蛋白、繊維(NDF)含量は各20.9%、38.5%です(日本標準飼料成分表より)。
養牛用の配合飼料では、多くの製品に組み込まれ、配合製品の表示票TDNの算出には、本品のTDNが75.6%として計算されます。

一般に本品のような繊維含量の高い糟糠類の繊維の消化率と乾草(長物)の繊維の消化率が同じの場合、泌乳牛の食下量が高くなるほど、その消化率のデスカウント率は乾草より高くなります。繊維の多い粒度の細かい飼料は、ルーメンでの通過スピードが速いためその消化率が落ちてくるのです。

ここで思考実験として、泌乳牛体重650㎏、乳量35㎏、乳脂率3.8%、乳蛋白3.2%のエネルギー充足させる飼料メニューとして、供飼飼料①はチモシー乾草15㎏、その濃厚飼料としてコーン圧片7.5㎏、大豆粕3㎏、供試飼料②としてチモシー乾草は同じく15㎏、コーン圧片6㎏、大豆粕2㎏、コーングルテンフィード2.5㎏とします。ビタミン、ミネラルは2供試飼料とも同じ充足率にします。

ここで思考実験として、泌乳牛体重650㎏、乳量35㎏、乳脂率3.8%、乳蛋白3.2%のエネルギー充足させる飼料メニューとして、供飼飼料①はチモシー乾草15㎏、その濃厚飼料としてコーン圧片7.5㎏、大豆粕3㎏、供試飼料②としてチモシー乾草は同じく15㎏、コーン圧片6㎏、大豆粕2㎏、コーングルテンフィード2.5㎏とします。ビタミン、ミネラルは2供試飼料とも同じ充足率にします。

供試飼料①は若干蛋白、TDN濃度も高いため、乾物摂取量が同じでも、供試飼料②は供試飼料①より、飼料計算上も期待する乳量生産は低く出ます。しかし、チモシー乾草を除く部分を配合飼料と見た場合、今の法律の配合飼料の成分表示では、酪農家さんは、ほぼ同じ飼料成分と見てしまう可能性は十分あります。

特に上記に示した濃厚飼料の繊維の特性からこれらの配合飼料を多く給与することになる高泌乳ほど、供試飼料①と②の乳量差は大きくなる可能性は十分考えられます。
すでに日本飼養標準と異なり、海外の飼料計算ソフトには、乾物摂取量増加によるグルテンフィード等の繊維の消化率のデスカウント率は組み込まれております。
しかしこのデスカウント率を飼料設計に反映させるには、配合飼料の飼料成分だけでは、不十分であり、原料組成が明らかにならなければなりません。

しかし、飼料メーカーは、設計ノウハウの開示になるためか各原料の配合割合を公表しているところは多くありません。そのため、現状では表示票の分類%を見て類推するしかありません。
次回は、コーングルテンミールについて整理したいと思います。

この記事を書いた人

Ishida

いろんなことに「なぜ」、「なぜ」と問いかける性分が子供の頃からあり、今も続いています。牛は私に「正直」に接してきますが、人は必ずしもそうではないため苦手です。このブログを通して、牛が農家さんに貢献してくれるとともに、牛が健康に長く生きられる術を皆さんといっしょに考えていきたいと思います。