ふすまは、小麦粒から小麦粉を精製する工程で産出される、小麦の外皮や胚芽に相当する部分です。そのため繊維(NDF)含量が高く、現物あたり粗蛋白質15.7%、TDN62.7%となっています。
3月のブログで取り上げたグルテンフィードと同様に、国内では配合飼料の原料として、特に養牛用として広く利用されています。
しかし、グルテンフィードと同様に繊維含量が高く、かつ粒度が細かいため、大豆粕、豆腐粕、ビートパルプ等とは異なり、泌乳牛においては食下量が増加すると繊維の消化率が大きく低下する傾向があります。
そのため、グルテンフィードやふすまのような粒度の細かい飼料は、仮に価格を考慮しない場合、私の中では高泌乳牛の飼料メニューには採用しにくい原料となります。
一方で、乳用・肉用を問わず、育成牛や乾乳牛、あるいは肉用の繁殖牛においては、グルテンフィードやふすまのような繊維含量の高い飼料は適しています。なぜなら、これらの牛は蛋白質やエネルギー価の高い穀類や大豆粕等を多く使用しなくても、必要な栄養素を十分に満たすことができるためです。
市販の配合飼料の表示票には、粗蛋白質およびTDN値が記載されています。しかし、本ブログでこれまで述べてきたように、今回のふすまを含む糟糠類では、繊維の消化率が乾乳牛と高泌乳牛とで異なる場合が多く、実際のエネルギー値(TDN値)にも差が生じます。
そのため、表示されている数値を用いて日本飼養標準等に基づく飼料設計を行っても、実際のエネルギー充足量との間に乖離が生じる可能性があります。
私が飼料の研究開発に従事し始めた1985年前後には、日本標準飼料成分表のTDN値や消化率に基づく成分値を用いて、さまざまな飼料の給与試験を実施していました。そこから得られた知見として、現在海外の飼料計算ソフトに組み込まれているような、牛のルーメン内における飼料原料の通過速度や分解速度、それに伴う消化率・吸収率を考慮しなければ、牛の増体、産乳、飼料効率は、飼料設計値と実際の給与試験結果とで乖離することが多い、という点が挙げられます。
したがって、市販の配合飼料においても、少なくとも原料の配合割合が明示されれば、飼料設計の精度はさらに向上すると考えられます。

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