「BMW技術」により生成された「活性水」なるものには、「腐植酸」が含まれていることをこれまでのブログで示してきました。
この腐植酸にアンモニア臭の低減効果あることは、ネット等を検索すれば国内外の試験報告や腐植酸を含む資材の販売メーカー等が紹介しています。
しかし、腐植酸は単一の化合物でないためか、どのような物理化学反応が起きてアンモニア臭が低減しているかの詳しい検証はされていません。
私の中では、「活性水」中に含まれる腐植酸がタンニン等のポリフェノールと同様に吸着、縮重合、中和、酸化等の複数の化学反応が絡み合いアンモニアのみならず悪臭物質を低減しているとみなしてしまいます。
やはり、気になるのはこのような資材を使った牛舎内のアンモニア等の悪臭を低減するための費用です。
私が牛の尿処理、糞尿の堆肥化、牛舎環境対策等の試験に携わった中での臭気に対する知見は、例えば、牛床に微生物資材を散布して、直ぐに牛舎の臭いが低減する、蠅が少なくなるという状況はその微生物が増殖するというよりは資材に含まれる酵素等の発酵物の作用と捉えてしまいます。
また、おが屑等の牛床に敷いてアンモニア臭が低減するのは、木質による悪臭物質の吸着作用が主になります。敷料を多くすれば、悪臭はより少なくなります。
悪臭物質が低減するとは、その悪臭物質に対応した物理化学的量が必要になることは明らかです。
私の中では「活性水」による悪臭物質の低減はそれに含まれる腐植酸等の腐植質の量に対応していると判断してしまいます。
「活性水」の抗菌性おいても同様であり、植物が持つ種々ポリフェノールの量と同様、その腐植質量に対応するでしょう。
医薬品として扱われる抗生物質のような少ない量で確実に抗菌性を示すとは考えにくいところがあります。
「BMW技術」は、今から数十年前に内水護氏が提唱した「土壌生成理論(内水理論)」に基づいたものですが、科学的検証があまり行われず、現場の技術として定着し、一部のメーカーが廃水処理や「活性水」なるものを普及、製造している状況です。
今回は「BMW技術」の中心となる「腐植酸」に注目して整理しましたが、「水」の性質の変化等、一般に知られていない「バクテリア」と「腐植質」を介した物理化学的反応があるやもしれず、今後の研究に期待する次第です。
冒頭の図は下記の参考資料に示したメーカーの「BMW技術」に基づき廃水等を浄化するシステムの概略であり、転用させてもらいました。
(参考資料)
https://www.co-cnt.com/ (事業のはじまり)