加熱大豆は、蛋白、バイパス蛋白、油脂含量が高い、繊維の消化率が高いなど高泌乳用、人工乳用等の配合飼料原料と言えます。
私が配合飼料の開発に従事し始めた1980年代前後は、高泌乳を狙うための飼料原料として本品が注目された時代であり、本品を組み入れた多くの給与比較試験を実施しました。
これらの試験を実施して総じて言えたことは、見かけ上蛋白、エネルギー価(TDN値)を揃えた比較試験でも、本品を組み入れた給与区の乳生産が高い傾向にありました。
給与試験の蛋白とTDN値を揃えたといっても、それは当時の日本飼養標準の維持栄養レベルでの消化試験で得られた値を当てはめたものであり、維持の栄養要求量の2倍、3倍を給与した場合、本品を組み入れ飼料メニューは、油脂含量が高いこと等による、正味エネルギー値が対照区より高くなったための同然の帰結だったのです。
当時は、各配合飼料メーカーも円高の影響もあり、原料原価の高い本品を高泌乳牛用の乳配のTDN値等を上げるため本品の割合が高い傾向にありました。
私は今でもこの印象が強くあり、高泌乳用の配合飼料に本品が含まれているか、あるいはどのくらい配合に含まれているがなど、配合飼料の配合表示票を見る場合のお決まりになっています。
現在は配合飼料メーカーから飼料計算用の飼料成分値を開示してもらえれば、今の生成AIの解析レベルでは、そんなに誤差のない範囲で配合飼料中の各原料割合を推定できる時代になっています。
また本品には、3大栄養素以外に脂溶性成分に含まれるルーメン等で乳化剤や抗脂肪肝因子としては働くレシチンが多く含まれています。
さらに子牛の人工乳の原料としても、本品はふさわしいものと言えます。バイパス蛋白、繊維の消化性が高いことは子牛の消化生理に必要なことです。本品は澱粉含量が少ない特徴があります。炭水化物分画としてはオリゴ糖含量が飼料原料の中で特に高く、乾物当たり5~8%も含まれています。これも子牛の腸内発酵に良い影響を与える一因となります。
本品の配合飼料メーカーの利用を見ても、今後高泌乳用の原料となることは難しい状況の中、農家さん自体が組み込める、本品の代替原料となるのが、過去のブログでも説明してある豆腐粕です。

