今年は6月末より全国的に暑熱が続いており、ウェットなTMRでは熱発(二次発酵)が発生している農家が多く見られます。
これを防ぐ手段としては、プロピオン酸などの有機酸製剤の添加や、マスタードシードのような抗菌性資材の添加が有効であることが知られています。
こうした中で、あるメーカーはTMRへの加水を推奨し、さらに「腐植質抽出液」とされる「活性水」や、抗酸化力の強い果実エキス等を加えた資材を添加することで、TMRの二次発酵を抑制できるとしています。
この内容の真偽を確かめるために、ポット試験レベルですが、この資材がTMRの熱発に与える影響を検証しましたので、以下に紹介します。
試験方法
厚手のビニール袋に、コーンサイレージを含む泌乳用TMR(株式会社八千穂TMRセンター製造、水分約40%)を各5kgずつ、合計6袋作成しました。
処理は以下の2つの加水条件に分けて実施しました: 加水Ⅰ:2kg加水
加水Ⅱ:0.2kg加水
それぞれの加水条件に対して、以下の3処理区を設けました: ① 無添加区(C区)
② マスタードシード添加区(M区)
③ 「活性水」+抗酸化物質含有資材添加区(K区)
②および③の添加量は、二次発酵抑制に必要とされる推奨量を上回る量(②:2g、③:「活性水」20cc+抗酸化資材2cc)としました。 袋は開放状態のまま室温で保管し、調査開始から13時間後および24時間後にTMRの品温を測定しました。
結果は、冒頭の図に示したとおりです。
今回のTMRポット試験において、「活性水+抗酸化資材」には、酵母や好気性細菌の増殖によるTMRの熱発(二次発酵)を抑制する効果は明確には認められませんでした。
一般的に、「抗酸化」を謳う商材が必ずしも抗菌性を有しているとは限らず、慎重な評価が必要であると考えられます。
今回のように、ポット試験であっても、実規模での試験であっても、TMRの熱発(二次発酵)抑制効果を主張するには、無添加区などとの比較がなければその効果を明確にすることは困難と捉えますが、いかがでしょう。

