コーングルテンミールは、通常現物当たり粗蛋白質63.7%、TDN79.6%と高蛋白であり、そのうち6~7割がバイパス蛋白です。高泌乳牛にとって必要なバイパス蛋白源として、泌乳牛用配合飼料にも組み込まれている原料です。
価格面でも、バイパス蛋白含量の高い加熱大豆やバイパス性大豆粕(加糖加熱処理等)と比較して安価である点が特徴です。
しかし留意すべき点として、本品は製造過程で硫酸が使用されるため、前回のグルテンフィードと同様に硫酸塩含量が高くなる傾向があります。このため、牛の嗜好性はやや低下する傾向があります。
さらに、泌乳牛では代謝性アシドーシスを防ぐために、飼料のDCAD(陽イオン−陰イオンバランス)は陽イオンが高いことが望まれ、特に暑熱時には重要な要素となります。しかし、グルテンフィードや本品は陰イオンである硫酸イオンを多く含む飼料です。
また、高泌乳牛の飼料メニューにコーン粒由来原料が多く組み込まれる場合、たとえバイパス蛋白が高くても、本品はリジン含量が少ないため、飼料メニュー全体としてバイパス性リジンが不足しやすくなります。その一方でバイパス性メチオニンが過剰となると、そのメチオニンは乳蛋白合成に十分利用されず、結果として糖新生に回る非効率なエネルギー源となる可能性があります。
配合飼料に本品が組み込まれている場合、飼料設計用の成分値が提示されていれば設計は可能ですが、やはり各原料の配合割合が明らかである方がより安心です。
高泌乳牛用の濃厚飼料として配合飼料を用いる場合、メイズ、グルテンフィード、グルテンミール、DDGS等のコーン粒由来原料を多用するほど、同一の粗蛋白値およびエネルギー価(TDN値)を満たす際の原料コストは、大麦圧片・大豆粕・加熱大豆を多く用いる場合よりも安価になります。
しかし、泌乳量が日量40kg以上の高泌乳牛群においては、必要な栄養バランスに十分留意せずにコーン由来原料を多用すると、飼料計算上はCP値やTDN値を同等にできても、炭水化物分画や蛋白分解画などのバランス調整が難しくなる場合があります。
高泌乳牛の飼料設計においては、1頭当たりの飼料費が仮に50円程度低減されたとしても、飼料効率が低下し泌乳牛群の平均乳量が1kg減少すれば、結果的に経済性は悪化します。したがって、単純な飼料費の安さだけでなく、生産性を含めた総合的な評価が重要となります。

